
警備員として働く際、福利厚生は一般的な会社に比べてどうなのか、あるいはどのような内容なのか、きちんと知っておきたいという人は少なくないはずです。とくに社会保障は福利厚生の中でももっとも気になる点です。この記事では警備員として勤務することで適用される福利厚生や警備会社によって異なる制度や待遇についてくわしく解説します。
警備員に適用される福利厚生の内容
社会保障は法律によって定められており、勤務条件が同じであればどの警備会社で働いても平等に受けられる法定福利厚生です。社会保険とは、健康保険・介護保険・厚生年金保険・労災保険・雇用保険の5つをまとめて呼び、特に健康保険と厚生年金保険の2つを狭義で社会保険と呼ぶこともあります。健康保険と厚生年金保険は、原則として週30時間以上勤務する人が対象ですが、平成29年4月以降は、従業員501人以上の企業であれば、週20時間以上働く人も加入できます。ただし、どちらも2か月を超えて継続勤務していることが条件です。介護保険もほぼ同様ですが、対象は40歳以上に限られます。
労災保険は雇用形態や労働期間に関係なく、勤務中や通勤中の事故や病気などに対して補償が受けられます。雇用保険は週20時間以上の勤務で加入でき、パートタイムでも一定の条件を満たせば保障の対象です。
これらの社会保険への加入は企業の義務であり、条件を満たしているのに加入できない場合は法令違反となります。就職時には、社会保険制度がきちんと整備されているか確認することが重要です。
警備会社によって違う?任意福利厚生とは
必ず適用される社会保障とは別に企業が独自に提供する福利厚生を任意福利厚生といい、その内容や待遇は警備会社ごとに異なります。これらは義務付けられているものではなく、企業側が従業員の生活の質や働きやすさの向上を目的として自由に導入することができます。寮や社宅がある企業では住居費の負担を大きく減らすことができ、生活が豊かになるのも大きなメリットです。社宅がない場合でも住居手当が支給されれば、実質的に収入が増えることになります。
また、給与から一定額を天引きして貯蓄する財形貯蓄制度を導入している企業もあり、お金を貯められるうえに一定額までは利子が非課税となるメリットがあります。さらに、冠婚葬祭の際のお祝い金やお見舞金、退職時の餞別金などを支給したり急な出費に対応するための一時貸付制度を備えている社会共済会を設けている会社もあります。
そのほか、フィットネスクラブや保養所、レジャー施設などを割安で利用できる制度がある場合もあり、健康維持や余暇の充実にも配慮した制度が導入されている場合もあります。このように任意福利厚生は会社によって内容が大きく異なるため、気になる方は就職や転職の際には必ずしっかりと確認しておくことをおすすめします。
福利厚生面の充実度は働きやすさを左右する
職場を選ぶ際には給与や勤務地だけではなく、福利厚生の充実度にも注目することが非常に大切です。福利厚生とは企業が従業員に提供するさまざまなサービスや支援制度のことで、住居支援や資格取得支援、健康管理やレクリエーションなどが含まれます。なかでも寮や社宅の提供がある会社は、地方から上京して働きたい人や住む場所にこだわりがない人にとっては大きなメリットです。生活にかかる費用を抑えられるだけではなく、職場との距離が近くなり、通勤のストレスを軽減することができます。
また、資格取得支援制度を備えた会社であれば、警備業務に必要な各種資格を会社のサポートを受けながら取得できるため、スキルアップやキャリアアップが見込めます。資格を取得することで給与や待遇が向上するだけではなく、重要なポジションを任される可能性や給与アップのチャンスにも恵まれるかもしれません。
福利厚生の充実度は働くうえでの大きなモチベーションであり、働きやすさを左右するといっても過言ではありません。また、福利厚生がしっかりしている企業は社員を大切にする姿勢が感じられ、職場の雰囲気や労働環境がよいという印象を与えます。
逆に、福利厚生が乏しい会社は従業員の満足度や定着率が下がる傾向にあります。同じ警備員の仕事であっても会社の福利厚生によって働きやすさは大きく異なります。警備員の仕事を探す際は福利厚生の内容までしっかりと確認し、自分に合った職場を見つけることが大切です。