
警備の仕事に興味を持っているものの、実際の収入がどれほどなのか気になっていませんか。この記事では、警備員として働く場合の給与水準や収入の実態について詳しく解説します。また、より高い報酬を得るためのポイントも紹介するので、キャリアアップを考えている人もぜひ参考にしてみてください。
警備員の仕事は多岐にわたる
警備業務は実に様々な分野に広がっており、大きく4種類に分類できます。施設警備員
まず施設警備員は、オフィスビルやショッピングセンター、マンションなどで活躍しています。主な業務として、建物への入退出管理や受付、不審な人物や物の監視、さらには防災センターでの火災監視や安全機器の操作などを担当します。来館者と接する機会が多いため、ていねいな応対やスムーズなコミュニケーション能力も重要な要素です。雑踏・交通誘導員
次に雑踏・交通誘導員は、イベント会場や工事現場などで人や車両の安全確保に努めます。具体的には、駐車場での自動車の誘導や歩行者の安全確保、お祭りなどの行事における人の流れの整理などが主な役割です。大規模な催し物では、警備計画の作成段階から関わることもあります。貴重品運搬警備員
貴重品運搬警備員は、現金や宝石などの価値の高い品物を安全に輸送することが使命です。輸送車の運転や周囲の状況確認はもちろん、万一の事故防止対策や発生時の適切な対応、ATMへのお金の補充や売上金の回収なども重要な仕事です。常に緊張感を伴う責任重大な職務といえるでしょう。身辺警備員
最後に身辺警備員は、個人や団体の安全を守るガードマンとして活動します。有名人や要人だけでなく、一般の方や子どもたちを守る場面も増えています。警護対象者の移動補助や行動サポート、周囲の環境チェックや危険の事前察知などが主な業務内容です。このように、警備の仕事は場所や対象によって求められる技能や専門知識が異なり、それぞれの分野で特色ある職務内容となっています。
警備員の平均月収・年収はいくら?
警備業界で働く方々の給与水準は、担う業務内容や雇用条件、年齢層などによって様々な違いがあります。施設警備員の場合、平均的な年間所得は約376.1万円で、月々に換算すると約31.3万円です。年齢による変化も顕著で、20代前半では年間約351万円ですが、40代後半になると約474万円まで上昇する傾向が見られます。経験を積むことで収入アップが期待できる職種といえるでしょう。
一方、雑踏・交通誘導に携わるスタッフの平均年間所得は約350.2万円、月あたり約29.2万円となっています。こちらも年齢とともに増加し、20代前半では約333万円、30代後半では約432万円が目安とされています。
貴重品輸送や要人警護などを担当する警備担当者については、会社や具体的な職務内容により幅広い差がありますが、一般的には施設警備や交通誘導と同等か、やや高めの報酬水準となることが多いようです。年間300万円から400万円程度が標準的な範囲とされています。
実際の報酬額は、夜間勤務の有無や保有する資格、勤務地域(都市部か地方か)によっても大きく変動します。とくに東京などの大都市圏では、地方に比べて比較的高い給与水準が設定されていることが多いです。
また、正社員として雇用されているか、アルバイトやパートとして働いているかによっても、年間の総支給額に大きな差が生じることを理解しておくことが重要です。
年収アップを目指すには何をすればいいの?
年収アップにはいくつかの方法があります。最も重要なのは、業界関連の資格取得です。「施設警備業務検定」や「交通誘導警備業務検定」といった専門資格を持っていると、多くの会社で手当が支給されます。また「警備員指導教育責任者」や「機械警備業務管理者」などの上位資格は、より高い手当につながるだけでなく、担当できる業務の範囲も広がります。これらの資格は昇進の際の評価材料となるほか、別の会社へ移る際にも強みとなるでしょう。
そして、長く勤め続けることで管理職を目指す道もあります。現場リーダーから始まり、内勤スタッフ、そして管理職へと昇格していくことで基本給の上昇や役職手当が加わり、収入増加が期待できます。
また、待遇の良い会社への就職や転職も検討価値があります。社員教育や資格取得支援が充実している企業、公正な評価システムを導入している会社を選ぶことで、能力向上やキャリア発展の機会が増え、結果的に給与アップにつながります。
そして、勤務する地域や雇用条件の見直しも効果的です。地方より都市部、とくに東京などの大都市では一般的に給与水準が高いです。また、パートやアルバイトから正社員へと雇用形態を変更することで、安定した収入と福利厚生が得られるようになります。
これらの取り組みを計画的に組み合わせることで、警備業界でのキャリアを発展させながら、着実に収入を増やしていくことが可能です。自分の状況や将来設計に合わせて、最適な選択をしていきましょう。